研究課題/領域番号 |
17592316
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
野村 美千江 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部・看護学科, 教授 (50218369)
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研究分担者 |
加藤 基子 名古屋市立大学, 看護学部研究科, 教授 (60290053)
宮内 清子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部・看護学科, 教授 (20239346)
柴 珠美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部・看護学科, 助手 (60382397)
池田 学 愛媛大学, 医学部・神経精神医学講座, 助教授 (60284395)
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キーワード | 初期認知症 / エンパワメント / グループアクティビティ / 家族支援 / 地域ケア / アクションリサーチ |
研究概要 |
初期認知症高齢者とその家族をエンパワメントするケアプログラムをアクションリサーチによって発展させた5年間の研究過程を分析・評価した。本研究の意義は、認知症ケアのごく初期段階に焦点化していること、認知リハビリテーション理論を応用したアクティビティプログラムを提供していること、地域型エンパワメントを基盤理論としていること、本人と家族の両者を対象としていること、実践家と研究者の学際的チームで実践してきたことである。 初期認知症者に提供されたアクティビティプログラムは、エラーのない環境における手続き記憶の再学習、伝統文化や小集団を生かしたエピソード記憶の強化、調理を中心とした活動による計画・遂行力の活性化により、自信や意欲を高めることに貢献した。計画・実施・ふり返りのサイクルを繰り返すことによって、エンパワメントの焦点は、個人の能力→グループの相互作用→参加高齢者の信念・価値→地域参加・交流へと変化・発展した。 家族介護者に提供された家族教室・電話相談・個別面談・ノート交換などのプログラムの中では、電話相談が最も利用者が多く、個別相談がケアマネジメントに役立った。 農村に暮らす初期認知症高齢者のエンパワメントにとって、家族や仲間、地域の人々に認められる経験は、強力な構成要素であることが示唆された。今後は、この地域介入におけるエンパワメントプログラムが、スタッフ・関係者に与えた影響を評価することが課題である。この研究成果は、第17回日本看護クリティカルシンキング研究会学術集会(2007年3,月大阪市)で発表した。現在、海外専門誌への投稿中である。
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