研究課題/領域番号 |
17592323
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
槌谷 亜希子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (00285545)
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研究分担者 |
篠木 絵理 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (00275497)
藤井 可苗 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (90382506)
阿保 順子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (30265095)
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キーワード | 知的障害 / ピアカウンセリング / 地域看護 / 性支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、地域で生活する知的障害者の性に対する看護・福祉協働支援として、当別町の健康増進計画活動拠点を活用したピアカウンセリングを実施・評価することである。今年度の課題は、昨年度より引き続き、知的障害のある思春期に対する性支援の実態とピアカウンセリング実践に対するニーズを明らかにし、ピアカウンセリング実践プログラムを作成することであった。事前に、知的障害児・者施設の施設長および支援員へのヒアリング調査を行い、知的障害のある思春期に対する性支援に関しては、知的障害児・者の性行動の実態やそれに対する支援員の対応、支援員の考え等を調査する必要性が示された。そこで、平成17~20年度の研究成果を基に、知的障害児・者の性行動と性支援に関する質問紙を作成し、知的障がい児・者の事業所に勤務する支援員を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。北海道の知的障害児・者事業所約11か所の施設長に質問紙のセット(調査依頼文、質問紙、返信用封筒、ボールペン)を送付し、各事業所の支援員へ配布を依頼、個別に返送してもらった。質問紙は100名へ配布し77名より回収した(回収率77%)。結果、対象者の基本属性は、性別は男女がほぼ半数ずつ、平均年齢は37.6歳、平均勤務年数は7.2年で、勤務先は通所施設と入所施設が主であった。支援員が関わった知的障害児・者の性行動は、「異性への過度な接触(触る、抱きつく)」が最も多かった。施設内で性行動に遭遇した場合の対応は、性行動の種類や人目に付く場所かどうかにより差が見られた。知的障害児・者への性支援として、支援員は「知的障害児・者への性教育」、「利用者本人と支援員との情報交換」、「支援員同士の情報交換」を重要視していた。また、性支援を行うべき人材としては「支援員」が最も多かった。以上のことから、支援員は、知的障害児・者の性行動に遭遇する機会が多く、知的障害児・者の性支援について重要視していることがうかがえた。 本調査の結果を基礎資料として、知的障害児・者の性支援の整備について、当事者主体の考えに基づき検討していきたい。
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