研究課題/領域番号 |
17592325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岸 恵美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80310217)
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研究分担者 |
篠澤 俔子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (20348022)
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 助教授 (00269325)
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 助手 (80341783)
舟迫 香 自治医科大学, 看護学部, 助手 (60406171)
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キーワード | 看護実践 / へき地 / 地域ケアシステム / 実践能力育成 / ヘルスニーズ |
研究概要 |
本年度は、1.地域ケアシステム構築に関わる要因とへき地看護職の連携の現状と課題の分析、2.へき地における地域ケアシステムと、その構築に関わる市町村、専門職、住民の連携の現状と課題の分析、3.へき地において地域ケアシステム構築に関わる看護職の看護活動展開方法の分析、を行ったのでその概要を以下に述べる。 1.として、研究者らが平成15年度に全国1,100か所のへき地診療所の看護職を対象に行った調査結果から、地域ケアシステム構築の要因、看護師の看護実践の現状と必要とされる看護師の実践能力、連携の現状について分析した。へき地看護職は、多様な疾患に対応しなければならず、急性期から慢性期までの疾患の幅広い知識と技術、また生命の危機的状況に対応できる知識と技術を求められており、へき地診療所看護師自身もそのニーズを充足させるために努力しているが、研修の機会が少ないこと、情報交換する場や指導を得られる場が少ないことがそれを困難にしていた。また予防の視点で活動することの重要性に気づきながら、連携が困難なためなかなか実施できていなかった。 2.については、離島で地域ケアシステムをどう構築していくかについて離島町村の保健師の面接調査を行い、その現状と課題を検討した。対象である住民を中心に事例検討を積み重ねる中で、それぞれの専門職の役割を認識し、尊重することで連携が行われ、次第に地域としてケアシステムが構築されていくことが明らかになった。 3.については、rural nursingの実践を先駆的に行っている、オーストラリアのタスマニア州での看護の現状と課題を、実際の視察と面接調査及びディスカッションを通して分析し検討した。タスマニアでは看護協会がへき地看護職の研修を行うなど実践能力を高める活動をするとともに、タスマニア大学の修士課程では、へき地看護を学ぼうとする看護職をサポートしていた。日本において、看護実践能力育成のための看護研修プログラムを検討するにあたり多くの示唆が得られた。 来年度は、さらにそれぞれの地域の特徴を生かし、住民と連携し、地域ケアシステムをどう構築するかについて研究を進めていく必要がある。また離島だけではなく、豪雪地帯・山村地域での調査を追加することで、へき地でのケアシステム構築の課題を明らかにし、それを解決するための看護職の看護活動展開方法を検討する必要がある。
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