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2007 年度 実績報告書

高齢者家族に焦点を当てた地域連携を促進する在宅移行期支援モデルの開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 17592327
研究機関岡山大学

研究代表者

長江 弘子  岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (10265770)

キーワード家族介護者 / 退院直後の生活 / 高齢者介護 / 病人とともにある生活 / 生活を創りだすプロセス
研究概要

昨年度までの研究では、家族介護者にとって家は生活の基盤であり、その家という場の空間と時間を基本的な思考枠組みにし、生活を作り出していた。そして、過去の暮らしの経験から培われた価値観とを重ね合わせ、自分のやり方を見出し、誰のためでもない介護者自身の生活を作り出していたことが示された。
そこで本年度は、さらに分析を深め、「在宅移行を経験する家族介護者の生活を創り出すプロセス」を構成する概念を生成し構造化する。その分析結果を研究参加者に提示し、具体性理論として現象との適合性を検証することを目的とした。
在宅移行を経験する家族介護者の生活を創り出すプロセスとは、「自分がわかる」を創りだしていくことによって、新たな自分の生活をわかるようにしていくプロセスであると見出された。このプロセスは"自分の生活がわからなくなる"から、"新たな自分の生活がわかるようになる"までの状況の変化を示しており、「病人が家にいる」ことを家族介護者が主観的に意味づけた生活感覚という認識の変化であった。この結果は、Glaser and Strauss(1965)およびStrauss&Corbin(1996)の提唱する理論化における特性「現実への適合性」(fitness)、「理解しやすさ」(understanding)、「一般性」(generality)について吟味し研究参加者5名によって、検証された。
その結果、退院直後の当事者の現実に適合し、当事者に理解可能な形で理論化されたことが明らかとなった。それゆえ、本研究の知見は退院前後にかかわる保健医療福祉にかかわる支援者にとって当事者の変化をとらえる指標となるばかりではなく、支援の妥当性を把握するための指標となる示唆が得られたと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 在宅移行期における家族介護者が生活を立て直すプロセスに関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      長江弘子
    • 雑誌名

      聖路加看護学会誌 33

      ページ: 17-25

    • 査読あり
  • [学会発表] A way of a Caregiver Creating a New Life with an Elderly Person Soon After Hospital Discharge in Japan2008

    • 著者名/発表者名
      長江 弘子
    • 学会等名
      International conference on New Frontiers in Primary Health Care; Role of Nursing and Other Professions
    • 発表場所
      Chiang Mai, Thailand
    • 年月日
      20080204-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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