平成19年度は前年度の試行をふまえ、ハイリスクスクリーニング基準の修正、試行の評価を行った。 1.ハイリスクスクリーニング基準の修正 前年度試行の結果、実用性をもたせるためには、(1)救急外来用、(2)小児科を主とする産科・救急以外用、(3)産科用の3種類について、より目的をしぼってチェック項目を精選することが必要であるとの結論に至った。そこで、実践者と研究者から構成されるプロジェクトチームにおいて、実践経験と既存文献から討論しながら(1)(2)(3)の完成を目指していった。結果、(1)は主として虐待重症例を発見することを主眼とした37項目、(2)は小児を対象とした虐待とそのハイリスクの発見を主眼とした93項目、(1)は、周産期にある妊産婦を対象とした虐待ハイリスクの発見を主眼とした78項目を設定した。 2.試行の評価 病院システムの評価については前年度に終えているところから、本年度は事例個々に対する支援を評価すべく事例検討を行った。 評価は、前年度試行において実践者が印象に残った事例を抽出し、診療録閲覧の許可を得た10例を対象として事例検討した。事例検討の結果、短い入院期間中にいかに効率的に情報収集し早期介入するか、保健センターとの連携等が課題として浮かびあがってきた。
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