昨年の検討を参考に更に具体的課題「大腿骨頸部骨折後の高齢者のQOLの観点から社会参加に影響を及ぼす身体的、心理・社会的要因の分析」を掲げ、2段階で研究に取り組んだ。 1)目的: 在宅あるいは施設で暮らす大腿骨頸部骨折後の高齢者の生活機能の状態をhealth-related quality of life(HRQOL)の観点から影響を及ぼす身体的・心理・社会的要因(生活機能の促進要因および阻害要因)を明らかにする。 2)対象 インタビュー: 大腿骨頸部骨折後、在宅でデイケアを利用している、あるいは中間施設に入所しているコミュニケーションおよび1〜2時間の坐位が可能な65歳以上の高齢者 8名 3)データ収集・分析法(研究1:インタビュー) (1)デイケア、あるいは中間施設を利用している8名 (2)約60〜90分程度/回で1または2回実施 (3)インタビュー内容はすべて筆記者が記録にとどめ、またテープに録音する。 (4)録音テープを基に逐語録を作成し、前後の文脈から意味内容を検討し、カテゴリーを抽出する。 (5)抽出されたカテゴリー(サブカテゴリー)から類似した意味内容のカテゴリーを集めてコード化する。 (6)カテゴリー抽出の妥当性を高めるために、対象者および施設関係者、インタビューに同席した研究協力者と指導教授にスーパーバイズを受けてカテゴリーを吟味する。 (7)グループインタビューの質的分析結果と既存の尺度に基づいて質問項目の検討、作成する。 現在、データ収集後、逐語録の作成し、質的分析に取り組み、第2段階の質問紙の聞き取り調査に向けて質問し作成に取り組んでいる。
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