研究課題/領域番号 |
17600004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤田 志朗 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (10181356)
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研究分担者 |
柴田 良貴 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90178913)
守屋 正彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90272187)
木村 浩 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60241808)
程塚 敏明 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40292544)
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キーワード | 湯島聖堂 / 復元制作 / 絵画制作 / 彫塑制作 / CG制作 / 賢儒図像 / 孔子像 |
研究概要 |
本年度は、理論、絵画制作、彫塑制作、CG制作による各研究組織において昨年度の経過をふまえた上で、失われた礼拝の諸像を補う試みとしての復元制作を完成させた。 藤田志朗、程塚敏明からなる研究組織では、《賢聖障子図》の欠損部2面の想定復元への彩色を含めた、《賢儒図像》全16面の全体彩色復元を行なった。昨年度行なった背景彩色の上に、本年度は人物の彩色を進めていった。16面の人物(堅儒)は合計すると89名になる為、人物1人1人の色と全体の色調を合わせるために、彩色は服、襟、模様、靴や帽子などの小物、人物の肌に行なうという方法をとり、全体の調子を見ながら彩色を行なった。彩色後、墨による顔や手の描写、服の描きおこしを行ない、仕上げに全体のトーンの調整や細部の確認を行ない、完了とした。完成した16面は、寺内遊神堂にて表装を行ない扁額とした。 柴田良貴からなる研究組織では、前年度までに収集した諸資料の分析を基に孔子像及び四配像の像容を想定し、装束や司寇冠等の紋様についても考察を加えた。石膏直付けによる形態の推敲を繰り返し、細部を整えながら、五聖像全体での統一的な関連性を持たせるべく調整を加え、石膏原型の完成に至った。この原型を基に黒谷美術株式会社にて鋳造作業を行い、素材を石膏からブロンズへと転換させた。 木村浩からなる研究組織では、最終年度の取り組みとして、CGによる江戸前期湯島聖堂大成殿の復元を、より精度を高めるため一から検討をし直し作成した。復元した大成殿の内部に本研究で復元された「賢儒図像」全16面を配置し、当時の内陣空間を分かりやすく示す動画コンテンツの制作を行なった。孔子祭復活百周年に合わせ、平成19年度10月に展覧会「草創期の湯島聖堂」(会場/湯島聖堂大成殿)にて16面の賢儒図像(扁額)、五聖像、CG動画コンテンツを展示し、研究成果の発表を行なった。
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