平成16年度「欧州次世代メディアデザイン教育方法の調査」に引き続き、平成17年6月にドイツカールスルーエ造形大学メディア芸術専攻において、プロジェクトに参加し実践を通してマルチメディアデザイン教育を調査した。また隣に位置するZKM(カールスルーエメディア芸術センター)を取材調査し、最先端のインタラクティブメディアアートの制作現場で客員芸術家の活動状況を調査した。同年8月にはミラノ工科大学ではインダストリアルデザインコースにおいてデザイン演習に参加して、ITを基盤としたハイテク製品のデザイン開発に関する研究方法と教育方法の調査を行った。9月上旬にはオーストリア、リンツ市において世界的なメディア芸術祭が開催され、会議に参加し、最先端の潮流を調査した。以上のような調査を実施し、調査結果をまとめ、インタラクティブメディアアート映像作品の分析、プログラミングによる制作方法の分析、コンセプトの分析、表現内容の解釈などを実施した。 以上のような研究調査情報を大学院生と共有して、大学院生を中心にプロジェクトチームを組織してメディアアートプロジェクトを実施し、文化庁メディア芸術祭、アジアデジタルアート大賞展などに作品を出展し受賞した。また、情報処理学会インタラクション2006、デザイン学会、ヒューマンインタフェース学会などで口頭発表をした。雑誌論文として大学院生を筆頭著者として4件を発表した。 平成18年度はこれまでの成果を国際会議や国際的なメディア芸術祭において発表する予定である。またインタラクションデザインを先導するメディアアートのシーズ的役割について考察とまとめを行う予定である。
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