研究課題/領域番号 |
17600018
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平井 康之 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (10336084)
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研究分担者 |
池田 美奈子 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (00363391)
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キーワード | デザイン / プロセス / 定性 / インクルーシブデザイン / ユーザー / デザインリサーチ / 質的調査法 |
研究概要 |
定性的な調査法の研究を進めるにあたり、国内外の優れた定性的なデザインプロセスの先行事例調査を行った。具体的には、英国王立芸術大学院大学(以下RCA)、ヘレンハムリン・リサーチセンターにおける2000年から2005年までのプロジェクト55件から定性的な手法の応用であるデザインツールに関して12件の事例を抽出し、プロジェクトに関わった元研究員に直接にヒアリング調査を行った。その結果を基に、調査目的によりどの手法を用いるかを明らかにした。さらに、デザインプロセスと、その目的及び用いられるデザインツールの関係をモデル化した。 定性的なデザインプロセスの実践として進めているRCAとの共同プロジェクト「オフィスエイジ」の一環で、RCAの研究員であるSuzi WinstanleyとHarriet Harrissを招聘し、定性的なデザインプロセス手法を用いたワークショップを行った。また、教育的な応用としては、学部3年生対象の後期授業「計画設計プロジェクト演習」にて、実際にユーザーを招いて、インクルーシブデザイン手法によるワークショップを実施し、ユーザーと共同でデザインする演習授業を行った。 一方、基礎調査として、定量的及び定性的な調査手法について網羅的に情報収集した。特に、他領域におけるリサーチ手法のデザイン分野への応用の可能性を探るため、文化人類学におけるインタビュー・観察手法、エスノメソドロジー、マーケティングにおける競合リサーチ、マーケットリサーチ、ライフスタイルリサーチ、トレンドリサーチ、またデザインプロセスにおける、リサーチと実践の融合として参加型デザイン手法、プラクティス・センタードリサーチ等についてサーベイを行った。 成果の発表および情報収集活動としては、5月にスウェーデンYstadで開かれた「第6回国際環境人間工学会(Environmental Ergonomics)」参加・発表、9月に、デンマークを中心に開催された世界デザイン会議「ERA05」参加・発表、そして11月に、長岡の「芸術工学会秋季大会」参加・発表を行った。
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