研究課題/領域番号 |
17600020
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
柳 英克 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (10325889)
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研究分担者 |
美馬 義亮 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (60325892)
木村 健一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (60280327)
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キーワード | 身体性 / アフォーダンス / 環境 / インタラクティブシステム / メディア・アート / インスタレーション / 情報デザイン |
研究概要 |
これまでの研究において、自己の内面とインタラクティブに対峙する「デッサンツール」を「作品生成装置」として作成した。本研究では「作品生成装置」のシステムを拡張し、コンピュータとマルチメディアによる環境生成装置「饗応する部屋」の実現を目指している。「饗応する部屋」は環境をインタフェースとする表現メディアであり、身体性と知覚の遊離・統合と再構築のプロセスを対話的に体験する空間である。 本研究は、多様な環境のデジタルアーカイブス作成のための取材を行いながら、継続的に「響応する部屋」のソフトウェア・ハードウェア開発を行うものであるが、ソフトウェア面では、「饗応する部屋」の床面に表示する環境テクスチャとして、3DCGによる海面映像の制作を行い、また実写映像として俯瞰撮影による海面や都市部の石畳などの取材を行った。これらの映像コンテンツをデジタルアーカイブスとしてオーサリングを行い、液晶プロジェクターを使用した「饗応する部屋」のプロトタイプにおいて床面投影し、身体感覚として実感する環境へのアフォーダンスについて検証を行った。ハードウェア面では「饗応する部屋」の環境生成装置としての床面設計を行い、ネットワーク経由でコンピュータを制御しマルチ・ディスプレイによる画像表示システムの実装を行った。現在はサーバPC1台でクライアントPC3台を制御し、3台のディスプレイによる画像表示であるが、次年度においてはサーバPC制御用のコントローラーを制作し、ディスプレイを最大で24台まで拡張する計画である。 今年度の研究において、ユーザ自身の身体感覚と「饗応する部屋」のインタラクションを通して、浮遊感・疾走感・没入感・圧迫感やそれらの感覚に付随して心的イメージを喚起するものであり、インタラクティブなメディア・アートへの応用と拡張性が確認できた。次年度は「響応する部屋」をハードウェアとソフトウェアを一体にした新たな表現メディアとして、金沢21世紀ミュージアムと東京のギャラリーにおいてインスタレーションを行う計画が確定している。
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