研究課題/領域番号 |
17601002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田口 一博 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 研究拠点形成特任教員 (20376411)
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研究分担者 |
礒崎 初仁 中央大学, 法学部, 教授 (40349212)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 助教授 (40214423)
伊藤 正次 首都大学東京, 都市教養学部, 準教授 (40347258)
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キーワード | 政策法務 / まちづくり / 分権時代 / 政策運営 / 地方議会 |
研究概要 |
本研究は、分権時代の都市的自治体における政権運営とまちづくり政策法務の交錯に焦点を絞って、都市的自治体の都市形成における作用を実証的に研究することを目的とした平成17・18の2か年度にわたる共同研究である。 平成17年度は特徴ある都市的自治体を選定し、議会議員・行政職員へのヒアリング調査を通じて資料を収集するとともに分析を行った。対象としたのは、神奈川県、川崎市、相模原市、東京都、京都市等約10都県市である。 政権運営を規定するのは、まず議会であるべきであろう。議会は本来、二元代表制の一端を担うべく構想されているものだが、現実に期待される役割の少ない部分しか担い得ていない。議会の運営を決めているルールのうち、条例や規則のように法の形式で書かれることのない慣習をヒアリングにより記録・比較し、議員のマインドが議会の活動を収縮させる方向で働いていること、議会を巡る制度もまた、議会の活動を収縮させる方向で解釈されているのではという仮説の検証を通じて議会をめぐる法システムのあり方を検討した。 一方、現実に行われている行政は何が、どのように動かしているのか。分権改革以降、都市自治体に先鋭的に現れるまちづくりに関する条例づくりなどは自治体法務のあり方を大きく変えているが、それは法務担当者の間、あるいは法令を執行する行政職員のマインドにどのような影響を与えているのか。条例等をつくることは自治体の首長の明確なリーダーシップが必要であるが、そもそも首長のリーダーシップはどのように発揮されるのか。首長と議会・職員双方の関係において、長のリーダーシップはどのように受容されていくのか、また議員・職員から首長に対し、政策がどのように入力されていくのか。公文書公開制度の導入について、政策を具体的施策とするまでの間の課程をインタビューにより記録を作成した。
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