研究分担者 |
谷 富夫 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (30135040)
矢部 拓也 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (20363129)
田中 耕市 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (20372716)
豊田 哲也 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (30260615)
高木 恒一 立教大学, 社会学部, 教授 (90295931)
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研究概要 |
1.KS法クラスター分析による二大都市圏の構造比較等質的地域分析の手法としては,一般的にクラスター分析が用いられており,SPSSなどの統計解析ソフトでは階層的クラスター分析とK-means法が用いられている。しかしどちらの手法も最終的にいくつのクラスターを「最適解」として抽出するかのアルゴリズムを持たず,分析者が判断せざるを得ないため,クラスター化の判断が困難となっていた。この問題点を回避することができる手法であるKS法クラスター分析を用いて,東京大都市圏と京阪神大都市圏の二大都市圏の構造比較を試みた。2000年の国勢調査,2001年の事業所・企業統計調査データを用い,東京都千代田区,大阪市中央区から,それぞれ半径70kmに含まれる市区町村(計471市区町村)を対象地域として分析を行った,その結果,東京大都市圏については同じ手法を使用した先行研究と近似した社会地区が析出され,京阪神大都市圏については多核心構造が見出された。 2.東京23区における都市密度変化と土地利用転換1990年代の東京23区を対象として,すべての事務所建築物と集合住宅の建物形状データに基づいた定量的分析を行い,都市密度の変化と土地利用転換パターンの地域的特性をマクロな視点から検討した。その結果,事務所建築物および集合住宅ともに,建物数の増加率よりも建物面積や延床面積の増加率が高く,既存建物の解体とともに,新規に建設される建物が著しく大型化あるいは高層化され,東京都心における都市空間の高密度化が進展していたことが示された。また,従来から住宅地としての性格が強かった西部においては,延床面積よりも建物面積の密度り高さが目立ち,低層ながらも多数の集合住宅が立地していることがわかった。一方,東部においては延床面積の密度が急上昇した箇所が散見され,工業用地や密集住宅から高層集合住宅の土地利用転換が多くみられた。
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