研究課題/領域番号 |
17602005
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野崎 武司 香川大学, 教育学部, 助教授 (80201698)
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研究分担者 |
安東 恭一郎 香川大学, 教育学部, 教授 (20284341)
北林 雅洋 香川大学, 教育学部, 助教授 (80380137)
植田 和也 香川大学, 教育学部, 助教授 (90363176)
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キーワード | いのちの学び / 総合的な学習の時間 / カリキュラム開発 / 主体的な学び / 人間存在の深さ / 綴り方教育 / 生活教育 / 単元づくり |
研究概要 |
本研究の目的は、「いのちの学び」につながるこれまでの教育実践をレビューし、総合的な学習の時間をうまく構成するための授業開発、カリキュラム開発を行うことにある。 本年度の中核課題は、鳥山敏子らの教育図書や雑誌の文献研究を行なうと伴に、「賢治の学校」の教育実践活動をフィールドワークすることであった。特に川口由一の「いのちのめぐり」の先行実践をレビューしながら、総合的な学習のカリキュラム開発のための構造的な課題を明らかにすることに努めた。「賢治の学校」では本年度、川口由一自然農ワークショップや宮崎の綾農場での実習等の行事を設けていたが、研究代表者は都合がつかず、12月末に「賢治の学校」を直接訪問し、自然農を中核にそこでの教育内容をインタビューしてきた。 現在「賢治の学校」には、幼児部から10年生(高校一年)まで131人の子どもたちが在学。最初の1年生が8年生となっている。「エポック授業」等の概要を学んだ。自然農は、土、草、虫などいろんなものを壊さず作物を作ろうという営みであり、そこには、人間とはいのちの世界においてどういう性質をもっていて、どうある存在なのかを問う哲学があるという。そこでは身体を使ってじかに世界とつながる感覚があり、時に無性に嬉しさがこみ上げてくるという。普通の農業では、野菜しか見ない。それを太らせるために肥料やら何やらに手を加える。それは商業の発想。自然農では、いろんなものがあって、その中に自分がいて、自分が働いていて、全体のつながりの中に作物が育っているという感覚であるらしい。そうした体験が、9年生の宮崎での2週間の農業実習(職場体験)などへと発展するカリキュラム(みんなで何かを成し遂げる楽しさから、働くことの楽しさへ)の考え方も学んだ。それは「民族の学び」など大きく社会認識を発展させるものとなっていた。
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