研究課題
基盤研究(C)
今年度は「ものつくり」の実践に先立って、それに必要な五感の練成、および「ものつくり」の根本的な意義を問う公開講座を実施した。前者については、本研究の実施舞台となる黒田村のアートヴィレッジにおいて8月12日、13日の2日間、オーディオ機器の専門家、寺村幸治氏とソプラノ歌手、高島依子氏を講師に招き、「音を聴く、音を出す」をテーマにしたワーク・ショップを黒田村の子供達を対象におこない、人工の音、自然の音それに人間の声を通じての聴覚練成の機会とした。後者については、本学において「ものつくり」の理論的基礎となる公開講座を、10月28日と12月9日の二度にわたって実施した。そのひとつは、ナポリの古文書研究家・美術家で、晩年のE・ゴンブリッジがそのユニークな活動を高く評価したジュゼッペ・ゼーヴォラ氏を講師として招聘しおこなった、ナポリ銀行所蔵の歴代の出納帳に描かれた様々な落書きに対する氏の分析を中心にしたもの。もうひとつは、アートの境界を社会常識と戦いながち探求し続ける現代美術家、ヘルマン・ニーチェの創造活動を論じた気鋭の美学者、ロベルト・テロージ氏がおこなったものである。以上の活動に加え、黒田村の夏祭りに際し、研究分担者の椎原氏と協力して本学の学生と成安造形大、大阪芸大の学生を組織し、アート・イベントやアート・パフォーマンスをおこない、祭りの活性化を図ると共に、その活動記録を冊子「黒田村アート・ワーク」として纏めている。更に研究分担者の森田氏が、京都、大阪、滋賀の12の中・高校を訪問し、学校での美術教育の現状と問題を調査し、その結果を報告している。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
イタリアーナ 30号
ページ: 34-51
科研(課題番号14310027)報告書
ページ: 1-24
京都造形大学紀要 9号
ページ: 279-288
里山から見える世界
ページ: 159-171
地域学
ページ: 74-89