研究課題
基盤研究(C)
本研究は、神戸市の小学校・中学校・高等学校を研究の中心的フィールドとして、神戸市教育委員会との連携のもとで、「総合的な学習の時間」における課題の一つである「福祉」の問題を取り上げ、学校種や発達段階に応じた系統的な体験・学習を通じて、児童・生徒の福祉マインドや技能を育むことが可能な「福祉」のカリキュラムを構築することを目的とした。そこで、本研究を推進するため、平成17年度は同教育委員会との共同研究を進める中、デンマークに「福祉教育」に関する調査研究に赴き、学校のみならず社会全体でノーマリゼーションの理念に基づいた福祉教育が実践されている実状を明らかにした。以上の調査結果をもとに、平成18年度は特別支援教育を主なテーマとしてカリキュラム化に関する研究を進め、その中心事業として平成19年2月に文科省特別支援教育課の古川聖登氏による基調講演を中心とした公開シンポジウムを同教育委員会等の後援を受け開催し、今後の特別支援教育を推進する中で全ての児童生徒の福祉マインドを育てていくためのカリキュラムの必要性を明らかにした。以上の結果・視点をもとに、平成19年度では同教育委員会との連携事業で明らかにされた「総合的な学習の時間」における福祉教育への取り組みの現状を踏まえ、神戸市を始め各地の学校の実践事例から収集したカリキュラム化に有用な教材をもとに、子どもにとって魅力ある福祉授業を具体化した。そして、その成果を各学校にフィードバックする中で、作成した具体的教材とカリキュラム案から、各学校種の「総合的な学習の時間」における「福祉」、並びに高等学校での専門教科としての「福祉」のカリキュラム開発と、授業実践に即した教材や教具の開発に段階性、連続性、系統性を踏まえることが重要であることを再確認し、以上の3年間の研究結果を報告書に著した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件)
関西学院大学教職教育研究センター公開シンポジウム報告書 1号
ページ: 1-68
The Report of Research Center for Teacher Development Public Symposium No.1