研究課題/領域番号 |
17603001
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
田中 敏明 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (40248670)
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研究分担者 |
武田 秀勝 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10048134)
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70002102)
泉 隆 北海道東海大学, 工学部, 助教授 (80193374)
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キーワード | バランストレーニング / 振動刺激 / 視覚情報呈示 / 姿勢制御 / 複合現実感 |
研究概要 |
平成17年度は下記研究内容を実施した。 1.バランスを維持するために振動刺激による足底部空間認知増強法に関する研究: 振動刺激装置を製作しこれに重心計測装置を統合させたシステムを構築した。刺激装置は踵、第1・5中足骨頭、母趾の4点を刺激できるよう足用マット内に振動子を左右合計8個設置した。例えば、重心軌跡が後方に移動し、あらかじめ決められた振動呈示位置を超えた場合、踵部に振動刺激が呈示された。対象は健常な若年者22名(平均24.3歳)と高齢者24名(平均75.8歳)とした。結果として、前後左右への振動刺激による目標とした重心位置への正確さ(振動刺激時の位置/目標位置×100[%])は、高齢者群では平均約83.8%,若年者群では平均約90.7%であった。以上より、足底面への振動刺激により正確に姿勢情報呈示がバランストレーニングに利用できる可能性を示した。さらに、斜め45°と思われる方位へ重心を移動させる課題結果(閉眼時)より、左右斜め45°前方では、若年者は0.6°のズレであり高齢者は7°のズレを生じた。左右後方斜めでは若年者で15°、高齢者では24°のズレとなり、特に後方への移動ではヒトは加齢とともにその方位感覚のズレが大となり振動などによる注意喚起や感覚フィードバックなどの重要性が示唆された。被験者によるアンケートでは,全被験者の約96%が振動を感じたと回答した。踵部の感受性が低かった。検討課題として、足底への振動刺激部位による感受性の違いにあわせて振動子を増加させ、年齢に応じた振動刺激強度を調整する必要性が示された。 2.バランスを維持するための視覚情報呈示方法に関する研究: 重心位置の情報を液晶ディスプレイもしくはHMDに呈示し、重心軌跡に関する注意喚起を促すため、視覚刺激用マーカーを追加画像呈示することが可能なシステムを構築に成功した。 以上、本年度研究目標は概ね達成された。
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