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2006 年度 実績報告書

牛白血病ウイルス:新たなる人獣共通感染症?

研究課題

研究課題/領域番号 17604006
研究機関長崎大学

研究代表者

森内 浩幸  長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (90315234)

キーワードウイルス / 獣医学 / 食品 / 動物 / 感染症
研究概要

牛白血病ウイルス(BLV)はヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)の近縁のウイルスであり、多くのウシが感染していることから、ヒトへの感染の有無が心配される。
(1)BLVのプロウイルスDNA(pDNA)の検出およびviral loadの定量
同意を得た上で採取した末梢血単核細胞(PBMC)からのBLV pDNAの検出を、PCR+Southern blottingまたはreal-time PCRを用いて行った。一部の検体からごく僅かのBLV pDNAが検出されたが、確認実験では検出されたりされなかったりと成績が不安定であった。閾値ギリギリの微量であることが予想されたことから、検出感度を高めるためにウイルス感染細胞と推測されるB細胞をEBウイルス感染によって不死化させ増殖させた上で、相当数の細胞からDNAを抽出して検索したところ、一名からはコンスタントに検出できるようになった。しかしながら、pDNAの全域を増幅し塩基配列を決定しようとしたものの、増幅が困難な箇所が多々みられ、未だ確認に至っていない。
以上の結果は、BLV感染者の数は極めて少ないか、もしくは感染している場合であっても感染細胞が末梢循環血中には殆ど存在しないために検出が困難であることを示唆している。
(2)抗BLV抗体の検出
BLV持続感染細胞の細胞抽出液や培養上澄液に存在するBLV蛋白や、GSTとの融合蛋白としてBLVのEnvやTaxなどのウイルス蛋白を実験室内で精製した。これらを抗原として研究対象者の血清中に対し抗BLV抗体の存在の有無を試みたところ、上記のBLV pDNAの一部の検出に成功した症例からWestern blottingで数本のバンドが確認された。しかしそれ以外の対象からは明らかなバンドの検出は認められず、現時点では感染既往・持続感染を含めて、極めて稀であるか現在の検出法では認めにくいものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 成人T細胞白血病.2006

    • 著者名/発表者名
      森内浩幸
    • 雑誌名

      今日の小児治療指針 第14版

      ページ: 262

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ヒトT細胞好性ウイルスI型(HTLV-I)感染症2006

    • 著者名/発表者名
      森内浩幸
    • 雑誌名

      小児臨床検査ガイド(五十嵐隆・水口雅編)(文光堂)

      ページ: 437-440

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Induction of Lactoferrin Gene Expression in Myeloid or Mammary Gland Cells by Human T-Cell Leukemia Virus Type 1 (HTLV-1) Tax : Implications for Milk-Borne Transmission of HTLV-1.2006

    • 著者名/発表者名
      Moriuchi M, Moriuchi H.
    • 雑誌名

      Journal of Virology 80

      ページ: 7118-7126

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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