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2006 年度 実績報告書

食品を汚染する複数のカビ毒による健康被害と防御法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17604008
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

小西 良子  国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長 (10195761)

研究分担者 高鳥 浩介  国立医薬品食品衛生研究所, 衛生徴生物部, 部長 (50270624)
キーワードNK細胞活性 / カビ毒 / トリコテセン / Penicillium Islandium / ルテオスカイリン / 放線菌 / 生物農薬
研究概要

昨年度の成果から、免疫抑制作用を有するカビ毒は、その長期間暴露により、発ガン抑制に関わる免疫機能の低下を招き、発がん性のあるカビ毒の毒性発現を早める可能性が指摘されたが、今年度は、in vivo実験によりトリコテセン系カビ毒の長期間暴露が、発ガン抑制に関わる免疫系にどのような影響を及ぼすか、また、短期間暴露が免疫系、肝臓中の薬物代謝酵素活性およびアフラトキシンのDNA binding活性にどのような影響を及ぼすかを検討した。in vitro実験系では、トリコテセンの複数汚染がサイトカイン産生に与える影響を検討した。
次に、生物農薬の可能性として、放線菌産生物質のカビ毒産生への影響をPenicilliumIslandicumのルテオスカイリン産生を指標に調べた。
比較的緩やかな免疫毒性を有するトリコテセン系カビ毒、ニバレノールを用い、4用量で90日間反復投与を行った結果、T細胞、B細胞のポピュレーションの変化を引き起こすもののNK細胞活性を高めることが明らかになった。この反応は、リンパ球の低下による代償作用である可能性が考えられた。短期間投与は、強い免疫抑制作用を有するT-2トキシン(1.5mg/kg)を用いて腹腔投与で行った。投与2時間後において、T細胞、NK細胞の減少が見られたが、肝臓中の薬物代謝酵素活性には変化は見られなかった。2種のトリコテセン系カビ毒を用いた複合計匪として、in vitroの系でマクロファージのサイトカイン産生能を相乗的に高めることが明らかになった。
生物農薬として放線菌70種類を探索し、黄変米毒素産生株Penicillium Islandicumのルテオスカイリン産生を抑制する菌種をスクリーニングした。その結果、毒素産生のみを抑制する放線菌2種類が見出され、それぞれの16S rDNA塩基配列を解析したところ、Nocardia anaemiaeと同定された。これらは毒素産生を抑制する生物農薬として今後応用が期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The mechanism of the carcinogenic effect of aflatoxins and the occurrence of Aflatoxin in nuts in Japan.2006

    • 著者名/発表者名
      Sugita-Konishi, Y. Kumagai, S.
    • 雑誌名

      Mycotoxins 55(2)

      ページ: 129-132

  • [雑誌論文] Development of a liquid chromatography/time of flight mass spectrometric method for the simultaneous determination of trichothecenes, zearalenone and aflatoxins in foodstuffs,2006

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H., Takino M., Sugita-Konishi, Y., Tanaka, T.
    • 雑誌名

      Rapid Commun Mass Spectrom. 20

      ページ: 1422-8.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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