研究課題
基盤研究(C)
睡眠に関連する神経ペプチドを用いて、睡眠と摂食との接点を探り、見極めることが本研究の最終目標である。本研究では、睡眠関連ペプチドのオレキシンやグレリンの他、モチリン、ニューロペプチドY(NPY)、PACAPなどの脳・腸ペプチドの腸神経系における電気生理学的作用を解析し、同時にこれらペプチドの睡眠・覚醒中枢への作用を検討した。モルモット回腸のアウエルバッハ神経叢のニューロンから細胞内記録を行い、各種神経ペプチドの作用について、静止膜電位などニューロンの電気的特性やシナプス電位への影響を記録・解析した。オレキシンAとBは一群の腸ニューロンで脱分極を起こすとともに、シナプス伝達を促進した。モチリンはシナプス伝達を抑制し、約20%のニューロンで弱い脱分極を起こした。モチリンに似た構造のグレリンの作用は複雑で脱分極と過分極がそれぞれ約30%のニューロンで観察され、同一のニューロンに対するモチリンとグレリンの作用も必ずしも一致しなかった。NPYやPACAPでも脱分極作用が観察された。また、今回用いたペプチドはいずれも、アセチルコリンやATPに対する感受性に影響せず、シナプス前終末に作用して伝達物質の放出を調節すると結論した。幼若ラットから分離培養した脊髄後根神経節のニューロン細胞体を-60mVに膜電位固定した状態でオレキシンをパフで作用させると、約100pAの内向き電流が測定された。一次感覚ニューロンの細胞体がオレキシン感受性を示すことが確認された。ラットにおいて、オレキシンはオレキシン受容体2型を介してノンレム及びレム睡眠を抑制し、強い覚醒効果を示した。ラットの腹腔内にNPYのY_2受容体アゴニストを投与するとノンレム睡眠が増加し覚醒が抑えられ、同時に摂食が減少した。グレリンとモチリンをラットの脳室内に持続投与した時の睡眠・覚醒パターン及び摂食行動パターンヘ及ぼす影響に関する解析は18年度に開始したばかりで、結論には至らず、更に共同研究者のもとでデータを集積・検討する。
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