研究課題/領域番号 |
17605014
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研究機関 | 財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
井上 雄一 財団法人神経研究所, 研究部, 部長 (50213179)
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研究分担者 |
本多 裕 財団法人神経研究所, 所長 (90010305)
岡 靖哲 財団法人神経研究所, 研究員 (60419025)
對木 悟 財団法人神経研究所, 研究員 (90376765)
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キーワード | 睡眠時呼吸障害 / 断眠 / 覚醒維持検査 / psychomotor vigilance test / 低酸素血症 |
研究概要 |
自他覚的な過眠症状ならびに精神作業機能障害の無い、8名の軽〜中等症閉塞性睡眠時呼吸障害(OSRBD)患者(全員男性、平均年齢39.1歳、平均無呼吸低呼吸指数;17.2/時間)ならびに性、年齢のマッチした7名の健常対照者(平均年齢38.2歳)を対象として、通常夜間睡眠(7時間)を取らせた翌日と、夜間部分断眠(4時間睡眠)を2日続けた後の昼間に、覚醒維持検査(MWT)、事象関連電位(P300)、psychomotor vigilance test(PVT)を実施し、部分断眠の日中の覚醒度・精神作業機能に対する影響を検討するとともに、断眠からの回復夜と通常睡眠夜の呼吸障害指標を比較し、断眠の呼吸障害病態への影響についても検討を加えた。これにより、OSRBD患者、健常者ともに部分断眠後には夜間呼吸障害頻度が有意に増加するが、OSRBD患者ではこれ以外に無呼吸・低呼吸エピソードの延長、夜間低酸素血症の増悪(SaO2 90%以下の時間の増加とその最低値の低下)が見られることが明らかになった。また、両群ともに断眠後にはMWTでの入眠潜時の短縮(=傾眠傾向の増加)がみられるが、その短縮率は患者群の方が有意に大きい事が確認された。また、PVTでのエラー率は、断眠後OSRBD群のみで増加していた。 以上より、OSRBD患者において、睡眠不足による病態の悪化がみられ、さらに日中傾眠傾向の増大とこれによるエラーの増加が健常者より顕著に生じる可能性が示唆された。
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