研究課題
平成17年度において、1、以前から明らかにしていたHCV患者のIFN-α産生能は病態の進行に伴い低下する、肝硬変から肝癌発症群は非発症群に比較してより低値である事を、"Impairment of IFN-α production capacity in patients with hepatitis C virus and the risk of the development of hepatocellular carcinoma."として完成、World J Gastroenterolに発表した。2、更に、ルイ・パストゥール医学研究センターで15年にわたり蓄積されたIFN-α産生能検査と一般血液検査結果の17年のデータベースから、健常人112名、HCV患者20名を抽出、その統計学的解析を行った。HCV患者では60%が低下傾向あるいは低値を示したのに対し、健常人ではその数は13%と、明らかに肝癌のハイリスク群であるHCV患者で高値であった。更に、肝癌発症者の平均IFN-α産生能は健常人、非発症者に比べて低値であることを明らかにした。この結果は"Impaired interferon-α production and the risk of cancer development in patients with hepatitis C virus infection"の論文にまとめ、現在投稿中である。3、IFN-α産生能の低下の病因解明の為、患者末梢血中のIFN-α産生細胞の同定のためのFACSによる測定系を確立した。4、併せてマウスにおいては、typeI IFN産生の系統差が以前から報告されているが、発癌リスクとの関連を検討するために、マウスを用いてもこのような系統差の基礎的・予備的検討をおこなった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
日本臨床 広範囲血液・尿化学検査 免疫学検査-その数値をどう読むか-[第6版] 63巻増刊号8
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