研究課題
平成17-18年度において、1、ルイ・パストゥール医学研究センターで20年にわたり蓄積されたIFN-α産生能検査と一般血液検査結果のデータベースを完成させた。2、このデータベースのうち17年分のデータを解析し、健常人112名、HCV患者20名を抽出、その統計学的解析を行った。HCV患者では60%が低下傾向あるいは低値を示したのに対し、健常人ではその数は13%と、明らかに肝癌のハイリスク群であるHCV患者で高値であった。更に、肝癌発症者の平均IFN-α産生能は健常人、非発症者に比べて低値であることを明らかにした。この結果は"Impaired interferon-α production and the Cancer risk."の論文にまとめ、現在投稿中である。3、IFN-α産生能の低下の病因解明の為、患者末梢血中のIFN-α産生細胞の同定のためのFACSによる細胞内IFN-α測定系を確立した。その結果、末梢血中の主たるIFN-α産生細胞は、plasmacytoid樹状細胞(pDC)であることが明らかにされた。そこで、患者個々のpDC数をFACSにて測定する系を作り、IFN-α産生能とpDC数との関連について検討した。健常人のIFN-α産生能とpDC数をもとに、正常範囲の95%確率楕円をもとめ、HCV肝炎患者の中で、その確率楕円外に位置する患者について検討したところ、肝硬変、肝癌患者の多くが位置し、pDCの機能的不全が推察された。一部にはpDCの数の低下の認められる疾患もあり、IFN-α産生能とpDC数の同時測定は、IFN産生不全症を要因によって分類できる可能性を示唆した。これらの研究については、平成18年日本免疫学会にて発表した。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (10件)
Pharma Medica 25(5)
ページ: 173-198
J Virol. Methods 136
ページ: 185-192
Eur. Cytokine Netw. Vol17
ページ: 91
Proceedings of 6^<th> international Cytokine Conference, MEDIMOND
ページ: 152-157
日本臨床 第64巻・第7号
ページ: 1210-1214
栄養と治療 vol.23, no.6
ページ: 44-49
Pharma Medica 24(5)
ページ: 122
Pasken J 18
ページ: 67-78
ページ: 7-11
ページ: 79-84