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2005 年度 実績報告書

臍帯血中免疫担当細胞の自然免疫応答機能とアレルギー発症に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17607002
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

下条 直樹  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40221303)

研究分担者 長田 久夫  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30233505)
岡本 美孝  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40169157)
キーワード臍帯血 / TLR4 / CD14 / TLR2 / プロバイオティクス / サイトカイン / IgE
研究概要

平成17年度は、出生時における自然免疫応答のマーカーの個体差の解析およびそれらとアレルギー疾患発症のマーカーのひとつであるとされている臍帯血IgE値との関連を解析した。
1)臍帯血単核球をプロバイオティクスのひとつであるBifidobacterium adolescentis、グラム陽性菌由来のペプチドグリカン、グラム陰性菌由来LPSにより刺激した培養上清中のTNF-α産生量およびIL-10産生量は個体により大きく異なっていた。
2)Bifidobacterium adolescentisおよびペプチドグリカン刺激によるTNF-α産生量には有意な相関が認められたことから、グラム陽性菌の菌体刺激はTLR2を介することが示唆された。
3)Bifidobacterium adolescentis刺激後の臍帯血CD14陽性単球上のTLR2,TLR4発現をフローサイトメトリー法で解析したが、サイトカイン産生能とTLRの発現量に相関はなかった。
4)自然免疫系に属する単球の活性化を示す指標とされている可溶性CD14量と臍帯血IgE値の間には相関が見られなかった。しかし、ペプチドグリカン刺激での臍帯血単核球からのTNF-α産生量と臍帯血IgEとは逆相関を示した。
5)γδT細胞の特異的リガンドであるIPP刺激による細胞内サイトカイン産生を臍帯血γδT細胞で確認することは困難であった。また、フォルボール酸+イオノマイシン刺激により誘導されるγδT細胞中のIFN-γについては、成人末梢血γδT細胞に比較して臍帯血γδT細胞のIFN-γ産生能はきわめて弱かった。γδT細胞数については両者間で大きな差異は認められなかった。
以上から、単球上のTLR2を介する刺激によるサイトカイン産生能が出生時のアレルギー素因と関連する可能性が示唆された。γδT細胞のサイトカイン産生能との関連は今後の課題である。また、平成17年度の研究期間では臍帯血単核球が得られた新生児のアレルギー発症の有無までを解析できた対象数が十分ではなく、臍帯血中免疫担当細胞の自然免疫応答機能とアレルギー発症の関連の解析は終了していない。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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