研究課題
われわれは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と一酸化窒素(NO)が樹状細胞(DC)に作用してDCをTh2誘導型形質に極性化するという新しい免疫機能制御の仕組みを見いだした。ANPの受容体GC-Aは膜型のguanylyl cyclase(GC)であり、NOの受容体は可溶型GCであり、ともにcGMPを2nd messengerとしてシグナルを伝達するので、cGMPがこれらのDCの極性化の共通のシグナル分子であると考えられる。これまでのANP/GC-Aに関する上記の知見は主にin vitroの培養を細胞を用いた解析結果であり、in vivoでもDCがGC-Aを発現するかどうかを確認する必要があった。そこで、京都大学医学部附属病院耳鼻科との共同研究で、切除扁桃を用いて、in vivoでGC-Aを発現している細胞があるかどうかを検討した。その結果、T細胞領域にDCの分布と一致してGC-A+細胞が認められた。さらに、浮遊細胞にしてフローサイトメトリーで解析すると、CD123+のpDCと思われる細胞がGC-Aを強く発現していた。末梢血のpDCは分離直後にはGC-Aを発現しないが、IL-3やCpG oligo DNAで活性化すると発現が誘導された。GC-Aを発現させておいてANPを添加すると濃度依存性に細胞内cGMPの上昇が認められpDCに発現するGC-Aは機能的であることが示された。また、CpG oligo DNAでpDCを刺激するときにANPを加えると濃度依存性にIFN-alphaの産生が抑制された。以上のことから、in vivoにおいて少なくともリンパ組織のpDCはGC-Aを発現しANPによる機能制御を受けることが示唆された(論文投稿中)。
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