研究課題
ヒト末梢血単核球より、CD14(+)モノサイトとナイーブCD4(+)T細胞を磁気分離、精製した。モノサイトDCから成熟DCを誘導する過程に、BPAおよびノニルフェノールを添加し、DCが産生する液性因子をELISA法、およびRT-PCR法にて評価した。さらに、アロのナイーブCD4T細胞を加えることにより混合リンパ球培養反応(MLR)を誘導した。増殖したTh細胞を刺激し、サイトカイン産生を定量することによりTh1/Th2分化を評価した。その結果、BPAおよびノニルフェノールの作用によりDCにおけるTARC、CCL1の産生増加、IL-8の産生低下を示すとともにTh2分化を誘導した。すなわちBPAおよびノニルフェノールは、DCの機能を修飾し、Th2応笞を誘導した。以上より、これらの内分泌撹乱物質はアレルギー誘導活性を示しうることが明らかとなった。また、典型的なTh1/Th2アジュバントで刺激したAPCsにおける各種Notchリガンドの遺伝子発現をRT-PCR法により検討した。ヒト単球由来培養DCs、単球系細胞株、およびDC様に誘導可能な細胞株をAPCsとして用いた。Th1/Th2アジュバントによってNotchリガンドの発現変化が観察されたが、報告されたマウスDCsでの結果とは若干異なるパターンを呈し、APCsの種類によっても発現の挙動が異なっていた。このような発現変化の特性と意義を明らかにすることは、Th1/Th2アジュバント活性の分子基盤の解明ならびに種々の物質を対象とする効率的なスクリーニングの開発に有用であると期待される。
すべて 2005
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