研究課題/領域番号 |
17611005
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
赤阪 賢 京都府立大学, 文学部, 教授 (60099231)
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研究分担者 |
三橋 俊雄 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (60239291)
竹内 潔 富山大学, 人文学部, 助教授 (40212021)
OUSSOUBY SACKO 京都精華大学, 人文学部, 講師 (70340510)
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キーワード | 住民組織化 / 自助組織 / 伝統組織 / 住民参加型開発援助 / 内発的発展 |
研究概要 |
研究代表者赤阪は、研究の統括とともに西アフリカで展開中されている種々の非政府組織が関与する住民参加型開発の事例を収集することに努めた。また、昨年度実施したマリ国南部地域における住民組織化の補充調査を実施した結果、地方分権化政策のもと農村地域のコミュンにおいて多種多様な住民組織が結成され、基礎教育、成人教育、保健医療や環境保全等の分野で自立・自助努力に向けた活動が展開される実態を把握した。いっぱんに女性組織の結成が多い中に、障害者の自助組織や地方の伝統文化維持を唱える組織などユニークな活動も注目にあたいされる。 研究分担者三橋は日本・台湾など東アジア地域において地域文化振興の拠点となる住民組織の研究を実施してきたが、その成果をふまえアフリカにおける地域活性化支援の方策に関して具体的な提言を用意した。また、昨年度マリ国中部地域において実施したジェネの事例報告において、砂漠化に直面し生活・環境改善のための適正技術開発、伝統的文化資源の保全と活用、住民の能力開発の推進等、内発的発展に寄与するため必要な支援の具体策を提示した。 研究分担者竹内は前年度にひきつづきギニア・ビサウ、カーボベルデなど旧ポルトガル植民地諸国に関する資料収集を継続した。さらに、フランスにおいてEUの援助・研究機関(ECOFAC)や中央アフリカにおける森林生態保存・合理的利用を目的とする国際機関(CUREFAC)が実施しているNGOとの連携について聞き取り調査を実施した。国際的な援助に関して地元にヨーロッパにたいする文化化的シンパシーの有無をめぐり深刻な政治文化的な対立状況があり、開発援助に際してこのような状況の把握が前提となることが改めて確認された。 研究分担者サコは都市計画学の視点から従来実施してきた歴史的都市における都市保全や居住環境の改善問題に取り組む住民活動に関する研究を踏まえ、マリの首都バマコ地域における建設現場でのヒアリング調査から、近代的な建築の現場で地方の伝統的な職人組織が移行しつつあることを確認し、近代化のプロセスの中で伝統的組織のインパクトが存在する実態を指摘した。
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