研究概要 |
(1)報道機関、連邦裁判所、国立先住権原審判所(NNTT)、国立先住民族研究院(AIATSIS)、北部土地評議会(NLC)、中央土地評議会(CLC)、キンバリー土地評議会(KLC)、ヤマジ土地海域評議会(YLSC)などから定期的に情報収集し、オーストラリア各地での先住権紛争(訴訟・調停・地域協定交渉・政治対立など)と法制度(ないし調停回路)構築の動向を把握した。とくに国立公園管理(NT, VIC, QLD)と沿岸海域資源管理(NT, WA)について重要な情報が得られた。 (2)NNTT各支部の登録事件および報道された事件を中心に、土地・水域・資源・景観に対するアボリジニーの権利および開発管理・共同体運営をめぐる紛争と交渉事例についての各種情報を、事件別レコードとして項目分析し、簡易データベース化した。Mac OS X上でFileMaker Pro 8の単体ファイルとして、現時点で現時点で約1700レコード、容量11.8MBを収録。 (3)10月28日から11月13日にかけて、オーストラリア連邦ヴィクトリア州を訪問し、資料収集・インタビュー・現地訪問をおこなった。メルボルンでは国立博物館(先住民族部門)と伝統文化信託委員会(Koori Heritage Trust)の関係者から土地権展示の最新の試みについて詳細な情報をえた。州北部のバルマ保護林の管理事務所(Dharnya Centre)を訪問し、共同管理協定(Yorta Yorta Management Agreement)とマレー川架橋問題について説明を受けた。ホールズギャップ(グランピアンズ国立公園)の先住民文化センター(Brambuk ACC)を訪問し、国立公園共同管理(とくに環境保全施策)をめぐる州政府と先住民族5集団との協働について背景情報を得た。東ギプスランドのユネスコ・バイオリザーブ指定区域内での環境保全事業への先住民族の参画事例について、ベアンズデイル、オーバスト、コンラン岬などで調査した。
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