研究課題/領域番号 |
17612010
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
斉藤 了文 関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)
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研究分担者 |
北詰 恵一 関西大学, 工学部, 助教授 (50282033)
吉田 敬介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60191582)
久保井 亮一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40029567)
水谷 雅彦 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50200001)
小澤 守 関西大学, 工学部, 教授 (60112009)
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キーワード | 工学倫理 / 制度 / 事故 / 専門家 / 法 / エンジニア |
研究概要 |
今年度は、7回公開講演会を開くことができた。これによって、工学倫理教育の展開の一助になることが期待された。 まず、第19回関西工学倫理研究会(公開講演会)では、藤原茂寿氏に「企業内エンジニアの仕事について」、八木晃一氏に「標準化と工学倫理」という講演をしてもらった。第20回関西工学倫理研究会では、森田雅也教授に「労務管理の対象としての技術者」、福田柳生氏に「造船業の品質管理」という講演をしてもらった。第21回関西工学倫理研究会では、斉藤了文が「人工物に媒介される倫理」、山田健二氏が「専門家の道徳的意思決定」という講演をした。第22回関西工学倫理研究会では、吉田寛氏が「情報技術者倫理とガバナンス」という題で、杉本泰治氏が「プロフェッショナル・エンジニアとは何か」という題で講演した。第23回関西工学倫理研究会では、小林廣氏が「科学技術の発達融合と倫理意識の変遷」という題で講演した。第24回関西苦学倫理研究会では、岩崎豪人氏が、「非技術者のための工学倫理」という題で、野田忠吉氏が「広義のものづくりと工学倫理教育」という題で講演した。第25回関西工学倫理研究会では、志村幸紀氏が、「企業倫理に関する一考察-企業の道徳的責任への理論的アプローチ」という題で、水野恒夫氏が「企業におけるリスクマネジメント」という題で講演した。 今年度は、事故の問題よりも、専門家の問題に焦点を当てて研究を進めることになった現実の様々な場面で専門家が(特にエンジニアが)どのような社会的役割を果たしているかを考察した。 専門家としてのエンジニアは、人工物を作ることに関わるという点で特異である(医者や弁護士と比べてみよ)。さらに、企業に属するという点が特徴的である。このような具体的条件の下で、エンジニアという専門家を位置づけることが、日本に生きるエンジニアという専門家の社会的位置づけになる。欧米の専門職の考えをただ導入するのでは済まない。日本に根付いたシステムを作ることが重要である。
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