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2006 年度 実績報告書

低温で高い触媒効率を発揮する低温活性酵素の構造要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17613001
研究機関神戸大学

研究代表者

鶴田 宏樹  神戸大学, 連携創造本部, 助教授 (20346282)

研究分担者 三上 文三  京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)
キーワード低温環境 / 低温活性機構 / フォスファターゼ / 変異型酵素解析 / 高分解能X線結晶構造解析 / 疎水性相互作用
研究概要

本研究では、好冷菌Shewanella sp.由来のCold-active protein-tyrosine-phosphataseについて、低温活性発現能と触媒部位近傍構造の柔軟性維持に必須な構造要因との相関性を明らかにすることを目標とした。本酵素の低温活性発現に重要となる構造要因を知るためには、さらに高分解能でのX線結晶構造解析によって得られる、原子の異方性やmultiple conformationなどの柔軟性に関する情報の取得と低温で活性が変化した変異型酵素との構造の比較が必須であると考えられる。そこで、野生型酵素の立体構造をSpring-8放射光を用いて1.1Åの高分解能で決定した。また、変異型酵素の機能解析から、触媒部位において亜鉛イオンと配位結合するAsp^<78>、His^<80>、Asp^<114>を正しく配置させるために必要と考えられる疎水性部位(MI部位)において、Val^<79>、Val^<85>、Ile^<115>、Leu^<145>、Ile^<307>の側鎖に働く疎水性相互作用が本酵素の機能発現に寄与する柔軟性維持に重要であることを推定した。
さらに、5℃におけるkcat値が野生型酵素のそれの約1.2倍の値を示す変異型酵素(I115M変異型酵素)の立体構造を1.5Åの分解能で決定した。変異型酵素においてはMI部位に位置しているMet^<115>の側鎖が2つのconformationを有していた。この結果から、野生型酵素に比べて高い活性を示すI115M変異型酵素では、115番目のアミノ酸残基がIleよりも疎水性の低いMetへ置換されることによって、MI部位の化学結合力が弱められ、野性型酵素に比べて高い柔軟性がMI部位に附与されたと考えられた。即ち、本酵素においては、触媒部位近傍に位置するMI部位を形成する疎水性アミノ酸側鎖の化学結合力が低温での効率よい活性発現に寄与する1要因であると結論した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Enzymatic characteristics of cold-active alkaline phosphatase2006

    • 著者名/発表者名
      Haruko Yamaguchi
    • 雑誌名

      Memoirs of graduate school of science and technology, Kobe university 24-A

      ページ: 23-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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