研究課題
研究代表者の今井は、研究全体を推し進めながら、エンドノードが利己的に行動したときのTCP輻輳制御アルゴリズムのバルク転送速度をゲーム理論によって解析し、各エンドノードが利己的に振る舞ってもネットワークか破綻しないような理論を構築するための基礎的調査を行った。そのために、ゲーム理論のNash均衡解を求める問題の計算量の調査研究を行い、これが多項式時間で解けるのか、あるいはNP困難となるのかについての基礎的考察を加えた。これによって身勝手なエンドノードがある場合でのゲーム理論的取り扱いの手がかりを得るに至った。また、研究協力者の支援を得て、エンドノードがTCPで良心的にバルク転送をする場合の輻輳制御アルゴリズムの競争解析を行うことに成功し、この成果については次年度に研究分担者の稲葉とその他の協力者と合同での発表を計画している。さらに、研究分担者の稲葉は、ネットワークシステムの現状を調査し、特に長距離の大バンド幅TCP通信の問題点を実際のシステム運用を基に洗い出すことを行い、そのために実際のTCP通信での輻輳の状況を調べ、その過程で世界にまたがる高バンド幅ネットワーク使用時の種々の問題点を明らかにすることができた。この輻輳に関する解析をさらに実験とシミュレーションによって確認することを行っており、これらについても次年度での成果発表を目指している。
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Proceedings of the Fourth International Workshop on Protocols for Fast Long-Distance Networks
情報処理学会研究報告
Journal of the Operations Research Society of Japan Vol.48,No.3
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