研究概要 |
平成18年度の研究では,前年度に引き続きWebスクリプティング機能を持つ既存のScheme処理系(Gauche)を用い,マクロを用いてLazyな木構造を扱う構文の設計と実装に関して実験を行うとともに、Webアプリケーションにおける新たなプログラミングモデルの可能性を探求する研究を行った。 Webアプリケーションにおける継続を用いた開発支援フレームワークを提案し、予備的な実装を行った。この技法により、従来はクライアントからのリクエストごとに独立した処理を記述する必要のあったWebアプリケーションプログラミングで、一つのセッションに属する一連の処理を単一の制御の流れとして自然に記述することができ、プログラムの記述性を高めることができた。 また、Ajaxと呼ばれる高度に対話的なWebアプリケーションを開発する手法において、従来の技法では必要となるクライアント側のJavaScript記述を不要とし、サーバ側のみのプログラミングでAjax技法が利用できるライブラリを提案し、その実装と評価を行った。この手法を用いることにより、通常のGUIアプリケーションを記述するのと同様の方法でWebアプリケーションを記述でき、生産性を高めることができる。この研究の結果は、情報処理学会第60回プログラミング研究会において「Ajax実装のためのJavaServlet上のライブラリの提案」として発表した。
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