研究課題/領域番号 |
17650019
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大橋 勝文 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00381153)
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研究分担者 |
三木 一司 独立行政法人 物資・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, ディレクター (30354335)
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キーワード | 分子コンピュータ / 光応答性分子 / 石英光学マイクロセル / アスペクト比 / 数理モデル / 並列演算 / フェロモン / 社会システム |
研究概要 |
光応答性物質が入った光学セルを二次元配列させた光応答性物質を用いることで、入力情報の画像化により並列処理を行う並列演算型分子コンピュータの開発を進める。この計算機に関して、ハードウェアとソフトウェアの両面から開発を行った。 ハードウェアに関する研究として、この分子コンピュータの演算の中心部品である光学マルチセルの高性能化を行った。特に、入力信号に対する光応答性物質の感受性を高めるために、開口部と深さのアスペクト比の高い光学セルの開発を進めた。現在、板上に深さ100・mのマイクロセルを4万個ほど並べた構造が完成している。 同時にソフトウェアに関する研究として、蟻などの昆虫は、フェロモンと呼ばれる化学物質を使い社会システムを構築している。フェロモンによる意思伝達手法を他の化学物質に置き換えることで、社会システムを分析・制御を行うアルゴリズムを生み出せないかと考えている。フェロモンを光応答性分子に、同様にフェロモンマップを光応答性分子が入った光学マルチセルに置き換えることで、複雑な社会システムの計算を本提案の分子コンピュータで実現するための数理モデルやアルゴリズムの構築している。例えば、光学マルチセルをマップ、移動する車の位置を光照射位置として、信号を含む道路交通網をシミュレートする。その結果、光応答性分子が濃く変色する部分が渋滞位置として現れる。この変色部への信号制御のフィードバックを加えることで、効率性のよい道路交通網の立案を目指す。
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