研究概要 |
(a)揺らぎ(1/f^βノイズ)により,運動を直接生成するアプローチについて これまでに開発している広葉樹の揺らぎ運動の生成法について,板バネモデルと空気力学を考慮した改良アルゴリズムを考案した.また,布のような平面(格子)状物体についての試行的なアルゴリズムを考案し,プログラム実験を行い,実現可能性を示すことが出来た. (b)揺らぎの利用により,低次元のアニメーションデータを高次元のアニメーションデータに拡張するアプローチについて 砕波の鉛直断面の2次元流体シミュレーションデータを3次元砕波に拡張する方法について,3次元の良好な境界面形状を得る方法と,GPUによるシミュレーションの高速化について試み,前者については,2つの改良案を考案し,試行実験を行った.後者については,プログラム実験の結果,現在のGPUの命令セットやメモリ構成では,種々困難な点が存在することが明らかとなった.また,火花放電についても,次元上げの手法についてプログラム実験を行い,良好な試行結果が得られている. (c)動的な再帰配置により,小規模なアニメーションデータを複雑で大規模なアニメーションデータに拡張するアプローチについて 再帰配置のアイデアの効果の確認と,小規模なアニメーションデータを効率的に得るための準備として,粒子発生源の再帰的配置によるシミュレーション法や,体積を持った粒子ベースシミュレーション法についてプログラム実験を行った.また,小規模なシミュレーションデータによる大規模な積雲の再帰生成アルゴリズムの開発を行い,プログラム実験によりそのアプローチの有効性を確認した.また,水流の流れのような繰り返し現象について,限定された時間でのシミュレーション結果から無限長のシームレスなアニメーションのループ素材を生成する方法について,基礎的な検討を行い,実現可能性を示すことが出来た.
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