最適な分割数である3分割インタフェースを実現する方法として画面の横軸と縦軸を交互に3つずつ分割・選択していく方法を考案した。次に、瞳孔反応を用いた画面分割インタフェースを実現するために、多人数による多様な提示環境・注視条件による定量的な評価を行った。 まず、定性的な結果として、以下のことを確認した。 ・一点注視型画面分割インタフェースがシースルーHMD、プラズマディスプレイ、明るい環境にて動作することを確認 ・3分割インタフェースにて発光面積が1/729まで注視点の特定が可能 また定量的な結果として、以下のことが分かった。 ・人や条件に関係なく瞳孔径の判断開始を0.683(s)遅らせればよい ・光り始めによる影響による最初の1領域の除外はしなくてもよい ・多様な提示環境・注視条件のなかから、よい条件を検討 この定量的な分析結果をもとに、効率のよいアルゴリズムについて検討した。その結果、それぞれの発光領域での瞳孔径の平均と、それ以外の瞳孔径の平均の差を求め、最も差が大きい領域を注視領域と推定するアルゴリズムが、効率がよいことがわかった。 最後に、ウェアラブル環境で考えられる領域の選択に関する問題について、注視に対する集中力が低下したときの瞳孔反応への影響について以下のことを確認した。 ・2次タスクを行ったとき瞳孔径の平均値が上昇する現象がある ・負荷が高い場合は瞳孔反応も縮小する場合がある また、背景とシースルーHMD内の画面のどちらかを見ていたか注視先を特定する必要がある問題について、以下のことを示した。 ・輝度が小さくなるにつれて瞳孔反応に差があらわれる ・輝度を10%未満にすると、背景を注視したときに瞳孔が反応しなくなり、「見ていない」ときを瞳孔反応から推定できる可能性がある
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