(1)昨年度試みたアフィン位置合わせを用いた「大局的な位置合わせアルゴリズム」を同一人物の別々の画像-CTスキャナ画像とMRI-に用いて実験した。その結果、昨年度の実験結果と違い、かなりいい結果を得ることができた。 (2)細部の位置あわせ手法に関しては、3次元メッシュ化画像を使い、内部/外部エネルギー量を基盤として対象物形状をモデル形状に近づける局所変形手法を開発した。 (3)今年度はさらに、相互情報量を基礎とする流体位置あわせ技術を用いたアルゴリズムを開発し、上記(1)の画像を使った実験を行った。今後の指針となる結果が得られた。 一報、画像からの領域切り出しに関しては、 (4)WATERSHED法に基づくアルゴリズムを開発・改良し、人体カラー画像の心臓および肺領域の抽出実験を行った。 上記(1)〜(3)は、モデルベースの臓器抽出技術開発のための研究であり、(4)は従来の画像情報のみを利用する技術である。われらわれの研究からは、後者の技術は画像の性質に大きく異存するため、限界があることが結論づけられた。なお、当初の目的であった人体データベース開発に関しては、概念設計の段階で止まっている状態である。今後の課題としたい。
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