研究課題
SPEAR3は人工内耳及び補聴器研究用に設計されたスピーチプロセッサである。2チャンネルオーディオI/Oおよび1対の人工内耳ドライバーを組込んだ携帯機器として、人工内耳のアルゴリズムをDSP(Motorola DSP56309)上に実装することが出来る。このSPEAR3スピーチプロセッサを用いて、実時間処理アルゴリズムを実装し、人工内耳装用者においてCSPE方式の人工内耳装用者による音声認識性能評価を行ってきた。被験者はニュークレアス社のACE方式を主として用いている人工内耳装用者13名(女8、男5)で、それぞれ人工内耳での聴取経験は3〜60ヶ月である。各被験者は1回目の面談で常用のACE方式での聴力検査と単音節認識試験を受け、次にCSPE方式でのスピーチプロセッサで音量調整を行い問題ないことを確認してから、聴力検査と単音節認識試験を受けた。スピーチプロセッサを持帰ってなるべく日常で使用するように依頼して、1週間後に2回目の面談を行った。このとき、問題はなかったか確認した後、CSPE方式での聴力検査と単音節認識試験を行い、単音節認識率の改善の度合いを調べた。その結果、1名を除いて他の全被験者はCSPE方式で2回目に単音節認識試験結果が改善した。ACE方式に比べてCSPE方式ではピッチが低く聞こえると全ての被験者答えた。2人の被験者(L5とL7)はCSPE方式ではテレビニュースが常用しているACE方式よりよく聞き取れた。以上のことから、ACE方式の人工内耳装用者はCSPE方式では短時間で習熟できるようである。従って、CSPE方式は現行のACE方式に代わる方式になりうる。また、より長時間装用して習熟することによって現行のACE方式より優れた結果となることが期待される。今回の実験では、ACE方式での固定T/Cレベルを用いているので調整によってCSPEではよりよい結果になる可能性がある。
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日本音響学会 2007年 春季研究発表会 2-2-4(CD-ROM)
ページ: 43
9th International Conference on Cochlear Implants, Vienna, Austria (CD-ROM)
The 8th International Conference on Electronics, Information, and Communication, Ulaanbaatar, Mongolia
ページ: 203-206
日本音響学会 2006年 秋季研究発表会 2-5-2(CD-ROM)