研究概要 |
本研究ではヒト型や多脚式のロボットなどこれまで運動優位特性を持たなかったロボットに対して,「利き」を与えることによる動作行動の有効性を明らかにすることを目標とする.このために動作パターンのモーションキャプチャによる計測,運動優位特性の定量的な解析,「非利き部位」に対する動作習得アルゴリズムの検討,さらに,実ロボットによる動作適応への影響と検証を段階的に進める. 本年度は,上記の考察に対応可能な実験ロボットとして,5放射相称形状のヒトデ型5脚ロボット,6放射相称形状の6脚ロボットの開発を行った.また所有するモジュール型ロボットの連結による多自由度ロボットとして蛇型ロボットを加え,身体性豊かな実験ロボットのバリエーションを作成し,これに対し各ロボットに対し最適動作行動獲得のための手法の検討を行った.脚関節位相差および歩容パターンを遺伝アルゴリズムにより最適化することにより,それぞれ身体性における最適動作を獲得した.更に,多脚ロボットでの足の破損に伴う動作変動をプロットし,動作性能に関する考察をおこなった. モジュール群の相互作用関連では,ルーチンの割当最適化を行い,免疫型アルゴリズムでの適用を行い,また,モジュールユニットの汎化に伴い,セルオートマトン開発環境に関する提案を行った. 利き腕であるリーディングアームのナビゲーションの差異,脚ロボットの非対称性などから進行方向の偏向が生じることに関して,シミュレータを製作し実験考察を進めた.
|