研究課題/領域番号 |
17650064
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三池 秀敏 山口大学, 工学部, 教授 (10107732)
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研究分担者 |
長 篤志 山口大学, 工学部, 講師 (90294652)
野村 厚志 山口大学, 教育学部, 助教授 (40264973)
櫻井 建成 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (60353322)
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キーワード | 反応拡散 / 自己組織 / 非線形科学 / パターン形成 / 離散モデル / 確率共鳴 / 画像処理 / 錯視 |
研究概要 |
本研究は、情報科学と非線形科学の両分野の境界領域に光を当て、離散的な非線形素子配列を持つ系が示す特徴的なパターン形成・自己組織化能力を解明するとともに、画像情報処理への応用など、非線形科学を基礎とする新しい情報科学技術を開発することを目的とする。特に、従来野村らにより提案されてきた「反応拡散モデルの自己組織化機能」を基礎とした画像情報処理手法を発展させ、実用的なアルゴリズムとして確立する事を目指している。 本年度は、従来の反応拡散モデル(FitzHugh-Nagumo)を基礎として、 1)内部信号源として、周期振動とガウス揺動を含む確率共鳴項を付加したモデル、 2)光触媒を持つ化学反応を模して、連続する画像情報を次々と入力するモデル、 を新たに開発し、それぞれノイズロバスト性の向上(確率共鳴を取り込んだモデル)や、人の視覚系特有の錯視特性(光触媒機能を取り込んだモデル)の再現が可能なことを示してきた。 特に確率共鳴を取り込んだモデルでは、内部の信号源として正弦波状周期振動とガウス変動を加味した揺らぎ特性をモデルに付け加えることで、外部雑音に対してかなりのロバスト性を持たせることが可能になった。研究成果は、2006年2月にThe First International Conference on Kansei (Fukuoka)で発表し、投稿論文も電子情報通信学会英文誌(IEICE)の10月号への掲載が決定している。また、光触媒機能を取り込んだモデルについても、2005年10月にInternational Chemical Congress of Pacific Basin Society (Hawaii)にて発表し、現在、投稿論文準備中である。
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