研究課題
本研究課題では、相対射影追跡法を中心として、高次元データの次元縮小の方法について研究を実施してきた。平成19年度は、本研究課題の最終年度として、これまでの研究成果をまとめるとともに、今後の発展の方向を明確にするための検討を実施した。特に関数データ解析、シンボリックデータ解析および潜在構造分析からの理論的な研究および、実データを用いた研究において成果が得られた。本研究課題における具体的な成果は以下の通りである。(1)関数データに対する相対射影追跡法:準構造データである関数データに対する相対射影追跡法を開発するとともに、その理論構築をすすめた。それにより、外的なパラメータにより変動するデータに対して、そこに隠された構造を抽出する効果的な手法を示すことができた。(2)潜在構造分析におけるクラス数の同定:次元縮小における有力な方法である潜在構造分析においてクラス数の決定は困難な問題であった。本研究課題により、クラス数を決定するための手順を示すことができ、その有効性を検討することができた。(3)シンボリックデータにおける次元縮小法:広範囲なデータ構造を許容するシンボリックデータ解析法に着目し、シンボリックデータに対する次元縮小法を検討した。これについて基礎的な成果が得られた。本格的な開発については、今後の課題として研究を推進する予定である。(4)実データへの適用:本研究課題の成果を実データに適用する際の問題点などを明確にした。特に、1年間に東京地区のFM局で放送された全ての曲を対象とした解析を実施し、提案手法の有効性を示した。さらに、医療データなどを用いて同様な検討を実施した。
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Lecture Notes in Artificial Intelligence Subseries of Lecture Notes in Computer Science, Springer 4481
ページ: 228-235
Lecture Notes in Artificial Intelligence Subseries of Lecture Notes in Computer Science, Springer 4693
ページ: 501-508