研究分担者 |
松本 裕行 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00190538)
貝瀬 秀裕 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (60377778)
間瀬 茂 東京工業大学, 情報理工学研究科, 教授 (70108190)
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
繆 瑩 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (10302382)
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研究概要 |
ベイジアンネットワークの計算アルゴリズムは、ネットワークのグラフ構造が木構造であれば、既知の情報の下で、目的の条件付周辺確率に収束することが示されるが、グラフ構造がサイクルを有する場合には、アルゴリズムの収束が保証されないばかりでなく、収束する場合にも、真の値と大きく異なる値に収束することもあり得る。ベイジアンネットワークの収束に関する条件の研究がさまざまな研究者によってなされており、収束しないネットワークの例もいくつか報告されている。しかし、収束しないネットワークが持つ組合せ論的特徴を見出し、解の振動の様子を見る試みはほとんどないと言って良い。また,LDPC符号の場合には,mxnパリティ検査行列の各行の1の数が一定でない行列の中に,1の数が一定である(regularであるといわれる)場合よりビット誤りの訂正能力の意味でよい符号があることが知られているが,グループテストの場合にも,そのようなことが言えるかをregularでないTanner graphを用いてシミュレーションにより調べたが,グループテストでは,そのような例は見つかっていない. 平成18年度は,主に,グループテストに用いる2部グラフ(Tanner graphと呼ばれる)の組合せ構造に注目し,2部グラフが,長さ4,6のサイクルを持たないときのBPの収束値と長さ4のサイクルは持たないが長さ6のサイクルを持つ場合の収束値をシミュレーションにより比較し,それら1の収束値に大きな差はないことを見出した.これにより,グループテストにTanner graphを用いる際には,長さ4のサイクルを持たないグラフを用いれば十分であることを確認した. また,LDPC符号の場合には,mxnパリティ検査行列の各行の1の数が一定でない行列の中に,1の数が一定である(regularであるといわれる)場合よりビット誤りの訂正能力の意味でよい符号があることが知られているが,グループテストの場合にも,そのようなことが言えるかをregularでないTanner graphを用いてシミュレーションにより調べたが,グループテストでは,そのような例は見つかっていない. さらに,グループテストの各itemに全順序がある場合に,テストの結果に定められた数以下の誤りがある場合に,正しくpositiveを発見することができるTanner graphの理論的構成法についても新たな知見を得た.
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