研究課題/領域番号 |
17650081
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
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研究分担者 |
鈴木 武 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60047347)
井上 淳 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教授 (80298174)
蛭川 潤一 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (10386617)
玉置 健一郎 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80409664)
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キーワード | 時系列解析 / 高次の漸近理論 / 漸近有効性 / セミパラメトリック推定 / 統計的金融工学 / 局所漸近正規性 / 局所定常過程 |
研究概要 |
オプションの価格評価は、古典的には収益率過程が幾何ブラウン運動に従うとして導かれたものであるが、実際の金融データはおおよそ、幾何ブラウン運動に従うとは想定できない。そこで実データの特性;収益率過程は非正規、非独立を仮定して、行使期間の長さに基づいたasymptoticsをEdgeworth展開を用いた高次の近似を用いてオプションの価格評価を行った。結果として価格に非正規性と非独立性が影響をおよぼし、古典的なブラック、ショールズの評価式への警告を得た。 多くの実際に観測される時系列データは、定常であるとは想定できない。そこで局所的には定常であるが、全体としては緩やかな構造変化をもつ非定常過程;局所定常過程に対しその生成過程が非正規であるとして、この分布をノンパラメトリックに推測して、局所定常過程のダイナミクスを記述する未知母数の漸近最適推測を、局所漸近正規性に基づいて行って、adaptive推定量の最適性をしめした。この結果は種々の応用を金融時系列、生体時系列解析にもつものと思われる。 高次の漸近最適性の研究としては、時系列回帰モデルにおいて、残差過程のスペクトルをノンパラメトリックに推測して回帰係数の推測を行うセミパラメトリック推定量;Hannan推定量の高次のasymptoticsの研究を行った。興味ある結果として、Hannan推定量の高次のasymptoticsはroot sample sizeの展開をもつことが判明し、従来のセミパラメトリック推定量のそれとは大きくことなることがわかった。またHannan推定量が2次漸近有効であるための必要十分条件も与えることができた。
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