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2006 年度 実績報告書

新規のエンドスルファターゼSulfFP遺伝子の神経発達・精神障害発症における役割

研究課題

研究課題/領域番号 17650089
研究機関筑波大学

研究代表者

桝 正幸  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20243032)

研究分担者 桝 和子  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
キーワードスルファターゼ / 神経発達 / 遺伝子改変マウス
研究概要

ヘパラン硫酸(HS)プロテオグリカンは、神経細胞の分化、移動、シナプス形成に重要な役割を担っている。ヒトExt1遺伝子多型や転座が自閉症と連関しているという報告があり、HSの異常が神経発達異常や精神疾患と何らかの関係があることが疑われるが、その詳細は不明である。我々は、最近、HSとシグナル分子の相互作用の要となる6-O-硫酸を特異的に分解する新規のスルファターゼ(SulfFP1とSulfFP2)を発見した。SulfFPは発生期から脳に多量に発現しており、脳形成に重要な役割を担っていると考えている。そこで、本研究は、我々が作成したSulfFP1、SulfFP2ノックアウトマウスの行動について調べることにより、SulfFP遺伝子と神経機能異常の関連を明らかにすることを目的としている。
SulfFP1とSulfFP2ノックアウトマウスは、酵素活性部位をコードするエクソンを破壊したものであり、酵素活性が無くなった結果HSの硫酸化パターンに変化が生じることを既に確認している。行動実験を施行するにあたり、遺伝的背景を揃えるためにC57BL/6系統に10世代以上交配したマウスを用いた。純系ダブルノックアウトマウスの殆どは生後直ぐに死亡するため、本研究では、単独ノックアウトマウスの行動実験を実施した。
昨年度は、SulfFP1とSulfFP2を各々単独で破壊した雄ホモマウスと雄野生型マウス各20匹を、ヘテロマウスの交配によって作成し、これらを用いて実験をおこなった。ロータロッド試験、オープンフィールド試験、高架式十字迷路、明暗選択試験、ビーム試験、恐怖条件付け試験などを行い、運動、自発行動量、不安、探索行動などに関する一般的なマウスの行動全般について調べたところ、一部の実験で野生型とホモの間に差が見られた。そこで、今年度は、更に解析マウス数を増やして、昨年度の実験の再現性を確認するとともに、その発症機序を探る実験を行った。その結果、明らかな異常が存在することが証明され、今後、この異常が生じる神経科学的基盤について調べる必要があることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Migration and nucleogenesis of mouse precerebellar neurons visualized by in utero electroporation of a green fluorescent protein gene.2007

    • 著者名/発表者名
      Okada T et al.
    • 雑誌名

      Neurosci.Res. 57

      ページ: 40-49

  • [雑誌論文] The N-terminal hydrophobic sequence of autotaxin (ENPP2) functions as a signal peptide.2006

    • 著者名/発表者名
      Koike S et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 11

      ページ: 133-142

  • [雑誌論文] Expression of mouse Coiled-coil-DIX1 (Ccd1), a positive regulator of Wnt signaling, during embryonic development.2006

    • 著者名/発表者名
      Soma K et al.
    • 雑誌名

      Gene Expression Patterns 6

      ページ: 325-330

  • [雑誌論文] Genetic marking of hematopoietic stem and endothelial cells : Identification of the Tmtsp genes encoding a novel cell-surface protein with the thrombospondin-1 domain.2006

    • 著者名/発表者名
      Takayanagi S et al.
    • 雑誌名

      Blood 107

      ページ: 4317-4325

  • [雑誌論文] Specific and flexible roles of heparan sulfate modifications in Drosophila FGF signaling.2006

    • 著者名/発表者名
      Kamimura K et al.
    • 雑誌名

      J.Cell Biol. 174

      ページ: 773-778

  • [図書] Neural Proteoglycans2007

    • 著者名/発表者名
      Masu M, Keino-Masu K
    • 総ページ数
      281
    • 出版者
      Research Signpost

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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