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2006 年度 実績報告書

難治性慢性疼痛時のミクログリアにおけるP2×4受容体発現増強分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17650111
研究機関九州大学

研究代表者

津田 誠  九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (40373394)

キーワードP2X_4受容体 / ミクログリア / フィブロネクチン / インテグリン / アロディニア
研究概要

難治性疼痛動物モデルの脊髄後角において,P2X_4受容体の発現がミクログリアで著明に増加し,同受容体の遮断が異常痛覚アロディニアを抑制することから,その発症にミクログリアにおけるP2X_4受容体の発現増加が重要なステップであることを以前の研究で示した.本研究計画の前年度までに,ミクログリアにおけるP2X_4発現制御分子を初代培養ミクログリア細胞で探索し,細胞外マトリックス分子であるフィブロネクチンをその候補として見出した.そこで本年度はフィブロネクチンのin vivoでの役割に焦点を絞り,ブロネクチン受容体(インテグリン)拮抗薬エチスタチンを用いて,P2X_4受容体発現増加と難治性慢性疼痛に対する効果を検討した.先ず,フィブロネクチンによるP2X_4受容体発現増加効果がエチスタチンの前処置により抑制されることを初代培養ミクログリアにおいて明らかにした.そこで,エチスタチンを難治性慢性疼痛モデルラットの脊髄くも膜下腔内へ7日間投与したところ,P2X_4受容体の発現増加は,エチスタチンの用量に依存して有意に抑制され,アロディニア行動も著明に抑制された.しかし,エチスタチンは一旦形成したアロディニアに対しては抑制効果を示さなかった.これらの結果から,フィブロネクチンはその受容体であるインテグリンを介して,in vivo疼痛病態モデルにおけるP2X_4受容体発現増加因子として重要な役割を果たしていることを明らかにした.また,フィブロネクチン/インテグリンシグナル系は,神経損傷による難治性疼痛の形成過程に重要であることも明確にした.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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