頭蓋骨を切除したネズミ脳の指定された位置にネズミ体外で発生した衝撃波を正確に収束させる実験方法を開発した。まず、長短径費1.41で、短直径20mmの半切回転楕円体の内部の焦点に直径0.6mmの光ファイバーの先端に、直径01.mm〜0.3mmのアジ化銀2〜20マイクログラムを貼り付け、光ファイバーにパルスNd:YAGレーザーを照射して、アジ化銀を起爆して球状衝撃波を発生した。これは新しい極微小衝撃波発生法である。 回転楕円体壁からの反射衝撃波は半切回転楕円体の外部の焦点に収束して持続時間1マイクロ秒以下、収束圧50〜150気圧が発生し、これはネズミ脳の非常に限局された部位に作用して細胞死を誘発できる圧力値範囲にあると推定され、アジ化銀薬量を種々変えて衝撃波照射を繰り返し、このように処理されたネズミを短期間生存させた後、屠殺し衝撃波照射部位の細胞応答を検索した。 その結果、ある圧力値範囲以下で細胞死が出現することを確認した。また、本年度中は、マイクロ衝撃波収束の物理を中心に解明を進め、そのために数値模擬法を開発し、光ファイバー圧力計、直径0.1mm、周波数応答100MHzを用いる圧力計測法を開発した。数値解ではアジ化銀の爆轟モデルに精緻なものを採用して計算結果を実験結果に一致する結果を得ている。 次年度研究の展開を保証する工学的な準備を完了した。
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