研究概要 |
本年度は、前方・側方視を有する偏心型光プローブによる40fpsの高速なスペクトラルドメインOCT(SD-OCT)を構築し,in vivoの断層画像測定を行った。 干渉計は,全光ファイバーのMach-Zehnder型干渉計であり、干渉計のサンプルアームには高速パルスモータ駆動の偏心型光プローブを接続している。干渉計からの光出力は,回折格子とラインカメラからなる分光計測部へ入射し、PCによる信号処理で深さ情報が得られる。 光源は、中心波長1.3μmのスーパールミネッセンスダイオード(SLD)で、最大深度の計算値は1.55mmとなり計測結果1.5mmとほぼ一致した.このとき深さ走査の画素間隔は5.9μmとなる.深さ方向分解能は19μmが得られ,分光器のパラメータから求まる理論値18.6μmとほぼ一致する.横方向分解能は23μmである. 光プローブの高速回転走査を行うために,光コネクタを開発し,40rpsでの回転駆動を行いながらコネクタ部での光接続効率の評価を行った.この結果,平均98.1%の接続効率が得られることを確認した.また,現在までに100,000回転程度使用しているが劣化は認められない.さらに,光コネクタ,SMFジャケットベースのロータリーシャフト,偏心走査部を組み合わせ,PTFE製のステーターチューブに収めることで,直径2.59mm,全長800mm,本体長さ10mmの光プローブを構築した. 画像測定では,まず,ヒト指のin situ計測を行った.計測画像から表皮,真皮,汗腺が確認できた.次に,ラットの耳介in vivo計測を行い,計測画像から表皮,真皮が確認できた.さらに,ラットの気管支のex vivo計測を行い,皮膜,粘膜固有層が確認できた.測定結果は,現在投稿準備中である.
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