研究課題/領域番号 |
17650147
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
椎名 毅 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (40192603)
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研究分担者 |
山川 誠 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (60344876)
植野 映 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90150614)
新田 尚隆 (独)産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (60392643)
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キーワード | 超音波計測 / がん診断 / 組織性状診断 / 三次元計測 / 顕微鏡 / 組織粘弾性 / ナノメディスン |
研究概要 |
組織の質的な変化を捉える組織性状診断は、組織形態の病変が顕在化する前の早期診断や良悪性の鑑別診断を可能とするものとして重要視されている。その中でも、組織の硬さは、癌、肝硬変、動脈硬化症などの病態を敏感に反映することから、近年、腫瘍の検出精度の向上や進行度の診断などを目的として、超音波により組織弾性を画像化する組織弾性イメージングの開発が進められており、一部実用段階に入りつつある。一方、疾病の進行度の把握や、良悪性鑑別等のためには、組織の粘弾性の変化の病理学的な意味付けが重要となるが、そのような疾病との対応を定量的に把握できるデータは皆無に近い。 本研究は、組織性状診断技術の向上の観点から、組織粘弾性と病理組織との対応関係を解明する手段として、超音波を用いて組織切片における粘弾性の三次元分布を定量的に計測可能とする、三次元超音波エラストマイクロスコープの開発を目的とするもので、初年度は以下の検討を行った。 1.組織切片内三次元変位分布測定法の開発 圧縮した場合の組織切片内に生ずる変位の三次元分布、およびそれに基づく歪み分布を得る手法を開発した。また、評価のための基準データとして、様々な組織の粘弾性値を機械的計測により求めた。 2.基礎実験システムによる歪み分布測定法の評価 基礎実験システムを構成して上記で開発した組織切片内歪み分布計測法を適用し、変位空間分解能、歪み弁別能、SN比などの基本特性を評価した。 それぞれの成果は国際会議等で発表した。これらより、ほぼ計画通りに次年度へ繋げることができると考える。
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