研究課題
X線CTスキャナは1970年代に開発され、現在に至るまでに著しく改良が進み、普及している医療画像診断装置である。しかしながら、普及している装置はエネルギーに関する分解能を持っていない。本研究は、生体を構成する物質毎に異なる吸収係数のエネルギースペクトル情報を捨て去る事なく出力画像に反映させる方法を確立する事を目的とし、平成17〜18年度に渡って実施された。エネルギー情報を利用するため、当初はBow-tieフィルタを用いた方法を検討していたが、実用的な時間で画像再構成が困難であるという問題があった。しかし、Bow-tieフィルタを非対称な形状とすれば、Dual Energyの原理を利用することができ、著しく計算処理を簡略化できることが判り、その最も単純な形式であるステップ型のフィルタを装着した場合に関して数値シミュレーションにより実用的なサイズの画像再構成が可能である事を示し、量子雑音が加わった場合を想定し、最適なフィルタ厚の設計法も提案した。さらに、提案法によるエネルギー情報を用いる事で、普及型のCTでは困難であった軟部組織の識別能力が向上する事をシミュレーションにより示した。これらの成果は国内学会・研究会発表4件、電子情報通信学会論文誌投稿論文1編、北米放射線学会(RSNA2006)サイエンティフィックポスター1件などにまとめられ、公表している。さらに、国内特許としても出願している。
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電子情報通信学会論文誌D Vol. J90-D, No. 3
ページ: 956-966
情報学ワークショップ 2006 (ISSN 1348-7035)
ページ: 125-130
日本生体医工学会東海支部学術集会,講演論文集
ページ: 13
Radiological Society of North America (RSNA) 92th Scientific Assembly and Annual Meeting (Scientific Posters),LL-PH4192-H01
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