研究概要 |
18年度は、介護認定をすでに受けているか、または将来認定を受ける可能性の高い片麻痺患者を対象として、要介護者高齢者用のウインゲートテストの開発に関する研究を行った。 被験者は、脳卒中片麻痺患者24名(男性16名、女性8名)で、年齢は56.8±9.3歳、体重は63.5±11.9kg、麻痺側は右12名、左12名であった。そのうち、介護認定を受けている被験者は7名で、内訳は要介護1が4名、要介護2が3名で、残りの17名は介護申請が未実施であった。 ストレングスエルゴで下肢の筋力測定を実施し、以前の研究結果をもとに、非麻痺側の最大脚伸展トルクの15%に負荷量を設定した。テストは3分間のウォーミングアップの後、9秒間の最大努力下での下肢自転車漕ぎテスト(等張性運動モードでの6秒間のランプ負荷と3秒間の定常負荷での運動)を施行し、その後クールダウンを3分間行った。テストは日を変えて2回実施し、データとして運動開始後6秒から9秒までの3秒間の定常負荷時における平均パワーを算出した。その結果、2回のテストにおける運動開始後6秒から9秒までの3秒間の定常負荷時の平均パワーの再現性を、級内相関係数で検討した結果、ICC(1,1)は0.98であった。 次に被験者の種々の基礎情報と測定項目をもとに変数選択-重回帰分析を行い、至適負荷量をより的確に決めるための回帰式の作成を試みた。各被験者が6秒間のランプ負荷期間の最終段階で到達できた負荷量の10%増の設定負荷量を目的変数とし、13項目を説明変数とした。その結果、ストレングスエルゴによる非麻痺側最大脚伸展トルクが有意(p<0.0001)に選択され、決定係数R^2=0.800であった。そこで設定負荷量と非麻痺側最大筋力の2変量の関係に焦点を絞り、最も適合度が良い回帰式を検討したところ、非麻痺側最大脚伸展トルク(x)から至適設定負荷量(y)を求めるには2次回帰式が最も適合度が高いことがわかり、その関係式として、y=4.556+0.0144x+0.0022x^2(決定係数R^2=0.830)が導き出された。
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