研究概要 |
車椅子利用者が重度の排泄困難に陥った場合を想定して,座った姿勢で自己の力で排泄するための支援装置を開発する事を目的とする。そのため、バイアス方式の形状記憶合金アクチュエータを有効に利用して,強化に固まった排泄物を粉砕または軟化させ、水分の助けによって排出する。肛門から70mmまでの直腸内の排泄を目標としていたが、肛門から30mmを排出できればそれ以降は自己の腹筋力によって排出できる可能性があり、本研究では肛門より30mm内部までの排泄を自力で行える排泄支援装置の開発とその高能率化へ向けての改善を進めた。平成18年度には、めっき加圧拡散法によるTiとNiの組成が異なる形状記憶合金作成法を確立し、変形か加工しやすいTとNiの加工品から形状記憶合金を作成できるようになった。また、従来型の間欠流体で駆動するタイプのアクチュエータを2例提案するとともに、それらの駆動システムを検討し、間欠流体に代わる高効率駆動システムの可能性を得た。また、人間が不快を間にない温度条件を調べ、やや不快を感じるが耐えられる温度範囲で、アクチュエータが作動可能であることをあきらかにした。
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