研究概要 |
同意を得た健常成人10名を対象として,空気圧を利用した部分荷重トレッドミル装置を利用した歩行中の下肢血流量,下肢皮膚温および下肢深部温を測定した。 対象: 同意を得た健常成人10名を対象とした。この健常被検者10名の平均年齢は25.3歳、平均身長は166cm、平均体重は60.0kgであった。 方法: 血流量を測定した。血流計プローブは左腓腹筋の中央部につけ、部分荷重トレッドミル装置内において無免荷安静立位時の血流を測定し,これを基準値に設定した。次にランダムに実施した全荷重歩行(FWB)、2/3荷重歩行(2/3PWB)および1/2荷重歩行(1/2PWB)の各歩行時の組織血流量の変化をレコーダーにて記録し、数値化した。表在および深部温度については、コアテンプCM-205(Terumo社製)を使用した。コアテンプのプローブは血流計プローブとほぼ同位置につけた。 結果: 血流量において、測定による平均値はFBWでは16.1ml、2/3PWBでは13.6ml、1/2PWBでは12.4mlであった。各歩行間の血流量においてはFWB時を基準として各PWB時を比較すると有意であった(P<0.001)。表在温度においては、FWB時の歩行前の平均温度は33.7℃、歩行後は33.8℃であった。2/3PWB時の歩行前の平均温度は33.9℃、歩行後は34.1℃であった。1/2PWB時の歩行前の平均温度は34.0℃、歩行後は34.1℃であった。深部温度においては、FWB時の歩行前の平均温度は36.2℃、歩行後は36.3℃であった。2/3PWB時の歩行前の平均温度は36.7℃、歩行後は36.7℃であった。1/2PWB時の歩行前の平均温度は36.6℃、歩行後は36.6℃であった。歩行前後を比較すると表在温度、深部温度ともに有意ではなかった。
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